退去時の掃除はどこまでやるべき?
更新日:2023年7月14日
引っ越し前の作業として、旧居の掃除があります。「立つ鳥跡を濁さず」のように、きれいにして退居したいものです。掃除をどの程度行うかルールはありませんが、賃貸物件の場合、敷金の精算にも影響が及ぶ可能性もあります。限られた時間を利用して、“見栄えよく”きれいにするには、重点的に掃除する所を決めて作業を行うのがポイントです。
敷金とは家賃の未払い分の精算や、部屋の修繕費に充てるために使われるお金です。借主の故意や過失で発生した部屋の汚れやキズ、破損については“原状回復”という名目で借主負担の修繕費が発生します。 知っておきたい敷金返還のポイントをチェック
つまり経年劣化を除いて、借主が入居した時と同じ状態にするために敷金が使われるので、掃除すればきれいになる所を放置していてはその分の清掃費を引かれてしまうことになります。掃除を念入りにすれば多くの敷金が返還されるとは言い切れませんが「きれいに使ってもらったから、修繕費を減額した」という大家もいます。掃除をして部屋をきれいにすることは少なからずよい影響をもたらすと考えられるでしょう。
出費を抑えるためにも、気持ちよく引っ越しをするためにも、きちんと掃除をしてから退去したいですね。
すべての場所を念入りに掃除できれば一番よいのですが、引っ越し前は様々な手続きや荷造りなどで忙しくなりがち。限られた時間で効率よくきれいにするには、ポイントを絞り込むのがコツです。とくに“水まわり”は重要なポイント。その人がどれぐらいきれいに利用したのか、ここを見ればわかると言われています。以下はとくに重点的に掃除しておきましょう。
ファミリー世帯 | 台所/換気扇・コンロの油汚れやこげつき |
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単身者世帯 | 洗面所・浴室/髪の毛、水アカ、カビ |
引っ越しの掃除は後回しにしがちですが、「思ったよりも時間がかかって掃除が終わらなかった!」なんてことにならないよう、簡単なスケジュールを立てておきましょう。時間がかかりそうな所は汚れが蓄積されている所なので、余力があるうちに片づけておくと後の作業がスムーズになります。
ふきこぼれた汁や油が炭化して「こげつき」になります。重曹を溶かした水で拭くとよいでしょう。水100mlに対し、重曹は小さじ1杯が目安。空のスプレーボトルに入れれば手軽に使える重曹水スプレーになります。水を少し温めたほうが重曹が溶けやすくなりますが、65℃以上のお湯で溶かしてしまうと弱アルカリ性から強アルカリ性へ変質してしまいます。汚れを落とすのには問題ありませんが、素手で扱うと火傷や手荒れの原因になりますのでお湯の温度に注意してください。
飛び散った油にホコリが付着し、それが蓄積されたものが「油汚れ」です。ここでも重曹水が活躍します。油汚れの上に重曹水をスプレーした上からキッチンペーパーを敷き、20分程度おいて油汚れを浮き上がらせてから、敷いていたキッチンペーパーで拭き取ります。まだ汚れがこびりついている場合はスポンジなども使ってみましょう。
湿度70%、温度20〜40度、栄養源(アカ)のある所に発生するのが「カビ」です。市販のカビ取り剤を使えば簡単に落とすことができます。カビ取り剤の臭いが苦手な人は、重曹やクレンザーを直接ふりかけてタワシや歯ブラシでこすり、最後に水できれいに洗い流せばよいでしょう。
ただし、浴槽や洗面台など、細かい傷がついたり光沢が取れてしまうこともあるので、目立たない場所で試してから掃除してみてください。
水道水に含まれるカルキなどの成分が付着し、ステンレスやガラスを白く曇らせてしまうのが「水アカ」です。中性洗剤やクレンザーを使って汚れを落とします。それでも白い石灰のようなものがこびりついている時は、サンドペーパーなどを利用してこすり落とします。
水まわりではありませんが、窓ガラスをきれいにしておくと部屋全体の清潔感が増します。水アカや砂、ホコリなどが付着して白くなる「ガラス汚れ」は市販のクリーナーでほとんど落とせます。クリーナーがない時は古新聞を丸めて水に浸したもので拭くとインクがワックス代わりとなり、きれいに仕上がります。
道具があれば掃除はより簡単に行えます。引っ越しに必要なグッズまで荷造りしてしまわないよう、あらかじめ掃除グッズは分けておきましょう。
床やタンスの上にたまったゴミやホコリを取り除いてくれる必須アイテムです。拭き掃除の前にも掃除機をかけておくと、雑巾がけがしやすくなります。小型の掃除機も小回りが利いて、とても重宝します。 価格.comで掃除機を探す
雑巾は拭き掃除だけでなく、窓ガラスなどの乾拭きにも利用できます。処分しようとしている衣類があれば、適当な大きさに切ってボロ布として利用しましょう。
セーター類はステンレスやガラスの水アカ落としに、デニム生地は五徳や換気扇の油汚れ落としに向いています。
古新聞はすべて処分せずに、3、4日分ぐらいは残しておきましょう。五徳や換気扇を洗浄する時に台所のシンク内に新聞紙を敷けば、ステンレスをキズつける心配もいりません。また生モノを捨てる時にも、新聞紙に巻いて捨てれば、臭いが吸収されて生臭さも緩和されます。
テレビやタンスの上にたまったホコリを払うのに重宝します。引っ越し前にホコリを取り除いておけば、テレビやタンスを動かす度にホコリが舞い上がったり、服を汚したりすることはありません。
部屋をきれいにして退去するためには、“忘れ物”の確認も大切なポイント。自分の荷物はすべて持ち出して退居しましょう。
とくに庭やベランダ、自転車置き場など家の外にあるものは忘れがち。洗濯竿、植木鉢やプランターなどの植物、自転車などを忘れていないか、退去前にしっかり確認しましょう。
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