引っ越しで洗濯機を正しく安全に運ぶ方法とその準備
更新日:2020年2月5日
引っ越しでもっとも大変なのが家電・家具の運搬ですが、なかでも洗濯機は重いだけでなく前もって水抜きをする必要があり、事前準備と運搬方法をしっかり理解しておかなくてはなりません。引っ越しで洗濯機を運搬する際に必要な知識をまとめました。
洗濯機の水抜きとは、文字通り、洗濯機本体の中やホースに溜まっている水を抜き取る作業のことです。水抜きをせずに洗濯機を運搬すると、途中で水が漏れてしまう恐れがあります。漏れた水でほかの家電や家具などが濡れると、故障したり破損したりということになりかねません。また、水が洗濯機の中に残ったままだと重くなるため持ち運びが大変です。作業中に水で手や足を滑らせてケガをしたり、家に傷を付けてしまったりするということも考えられます。そのため、引っ越しの際は必ず洗濯機の水抜きを行う必要があります。
水抜きの作業時間はそれほどかからないため、引っ越し当日に行うことも可能です。しかし、いざ行おうとした時に方法がわからず作業ができないという事態になると、ほかの作業に遅れが生じてしまうことも考えられます。そのため、あらかじめ自分の使っている機種の水抜き方法について確認して、前日までに作業を済ませておきましょう。また、水抜きの後はホースを取り外し洗濯ができなくなるため、洗濯も作業前に済ませておく必要があります。
ここからは、縦型の洗濯機とドラム式洗濯機の大まかな水抜きの方法と注意点について紹介していきます。
水抜きの方法は機種により異なることがありますので、必ず取扱説明書を確認しましょう。作業には、水を受けるための洗面器や汚れても構わないタオルを用意します。また、ホースを外すのにドライバーが必要となる場合もあります。
作業前には洗濯ネットなど取り外せる付属品は取り外し、洗濯機の中に衣類がある場合はもちろん取り出しておきましょう。
一般的な洗濯機の水抜きを行う手順は以下のようになります。水抜きの作業は給水ホースからはじめ、ドラム式洗濯機の場合は糸くずフィルターの水抜きも行い、最後に排水ホースの水抜きをします。
水抜きの際には給水する水道の蛇口をきちんと閉めておくことが重要です。蛇口を閉めずに洗濯機を回すと普段の洗濯と同じで水抜きの作業にはなりません。蛇口が開いたままの状態で手順を間違い、給水ホースを外してしまうと蛇口から出た水で床が水浸しになってしまいます。
水抜きの方法で説明したとおり、給水ホースと排水ホースを取り外す時や、糸くずフィルターのつまみを緩めた際に、水がこぼれてしまう可能性もあるため、タオルや洗面器を事前に用意しておくことも必要です。
洗濯機をベランダなど屋外に置いている場合は、冬場の凍結にも注意が必要です。寒さで水道管やホースが凍結してしまうと水抜き作業ができなくなってしまいます。しかし、引っ越しの準備を急がなくてはならないからといって、凍結した水道管に直接熱湯をかけるのは絶対にやめましょう。水道管が破裂する恐れがあります。水道管の場合はタオルを巻いて40度以下のお湯をかけます。ホースが外せる場合は外してから同じく40度以下のお湯をかけます。凍結したホースを無理やり曲げると破損してしまう可能性があるので、外せない場合は水道管と同様にタオルを巻いてお湯をかけるなどして対処します。
引越しで洗濯機を運ぶ時にもさまざまな注意点があります。ここからは、その注意点について紹介していきます。
引っ越しで洗濯機の部品や付属品を取り外した際は紛失しないように注意しましょう。部品や付属品がない状態で引っ越し先で設置し、洗濯機を回してしまうと水漏れなどのトラブルが発生してしまう恐れがあります。新居でもトラブルなく設置するために以下のようにまとめておきましょう。
電源コードとアース線はコードを巻いてビニール袋に入れ、洗濯機本体の側面に養生テープなどで貼り付けておきましょう。
取り外した給水ホースや排水ホース、風呂水ポンプやニップルなどは大きめの袋に入れて洗濯槽に入れておきます。 洗濯機の側面に排水ホースをかけられる場合は、かけて養生テープで固定します。取扱説明書も一緒に入れておくと引っ越し先で設置する際にすぐに方法を確認できて便利です。なお、ホースは破損しやすいので、取り外した際に状態を確認しましょう。一見破損等がなくても長期間使用していたのであれば、新居に引っ越す際に交換するのが望ましいです。
洗濯機の付属品をまとめる際、元々部屋に備え付けられていた部品までうっかり持っていかないようにしましょう。とくに間違いがちなのは排水ホースと排水口をつなぐ「エルボ」という部品です。誤ってエルボを新居に持っていったり、紛失してしまったりすると費用を請求されることもありますので要注意です。
洗濯機は大きな家電のため、運搬・設置の作業を行う前に確認をしておかなければならないポイントがあります。以下を参考に、引っ越しの際のトラブルを未然に防ぎましょう。
搬入経路を洗濯機が通過できるか必ず事前に確認しておきましょう。建物の入口、通路、階段、エレベーター、玄関、廊下、脱衣所の戸口などの幅を正確に測っておく必要があります。通過できない時はクレーンで搬入できる場合もありますが、別途費用がかかってしまいます。退去や買い替えの際にもクレーンでの搬出となるため、新しい洗濯機に買い替えたほうがよいかもしれません。クレーンで家の中に搬入しても脱衣所の戸口を通過できなければ洗濯機の設置は難しいでしょう。事前に経路を確認しておけばトラブルや余計な費用の発生を防げて、買い替えによる処分なども余裕をもって行えます。
設置するスペースや洗濯機パンの寸法を測っておき、洗濯機パンのふちが洗濯機にあたらないか、床と洗濯機が水平になっているか確認しておきましょう。一般的な縦型の洗濯機はたいてい収まりますが、ドラム式洗濯機はサイズが大きいため設置できないケースがあります。また扉を開けるスペースが確保できているかもあらかじめ確認しておきましょう。
給水ホースを取り付ける蛇口の形状はいくつか種類があり、給水ホースの取り付けには横水栓や分岐水栓が適しています。旧居で使用していた蛇口と異なり付けられないこともありますので、事前に確認して必要な場合は新居で使用できる別売りの部品などを用意しましょう。また蛇口の先端についた傷などが原因で水漏れが発生する可能性もありますので、蛇口の状態も確認しておくとよいでしょう。
蛇口の位置が低いと洗濯機本体と当たってしまい設置ができないので高さの確認も必要です。そのような場合のために、高さを調節できる市販のパーツも販売されていますが、交換は一般の方にはやや難しいためプロに任せたほうがよいでしょう。また、賃貸の場合、まずは大家さんや管理会社に相談してください。
排水口がどの位置にあるのかも確認しておきましょう。排水口が洗濯機の真下にある場合はホースをつなぐことが難しくなります。この場合は洗濯機をかさ上げするための専用の台を別途用意するか、真下の排水口につなぐことができるホースを用意します。
洗濯機を運搬する際は必ず縦向きで運び、横向きにしないようにしましょう。
縦型の洗濯機は、正しく水抜きができていれば、揺れには強い構造となっているため簡単には壊れません。しかし移動中に倒れたりぶつかったりすれば、故障やほかの荷物を傷つける可能性がありますので、しっかり固定して運搬しましょう。
一方、ドラム式洗濯機は傾きや揺れに弱い構造となっています。本体の側面や後部に運搬用の固定ネジがありますので、事前に締めて確実に固定してから運搬しなければなりません。ネジの場所は機種によって異なるので、取扱説明書などを確認しましょう。紛失した場合はメーカーから取り寄せる必要があります。
引越しのタイミングで買い替えを検討する人は多いでしょう。洗濯機を処分するには、廃棄や買取といった方法があります。廃棄する場合は、家電リサイクル法に従い料金を支払わなければいけません。型式やメーカーにより料金は異なりますが一般的にはリサイクル料が2,500円ほど、また運搬料が500円〜3,000円ほど、搬出料が3,000円〜20,000円ほどかかります。家電量販店や自治体で対応してもらえるので、Webサイトで詳細を確認しましょう。
また、購入してから5年以内の新しい洗濯機を新居の洗濯機パンに合わないといった理由で手放すのであれば、リサイクルショップなどで買取してもらえる可能性があります。そのほかにも、フリマアプリやオークションに出品する方法もありますが、この場合は梱包や配送に手間がかかってしまうので注意が必要です。
洗濯機の水抜きや簡単な引越し準備は、前日までにやっておく必要があるため、手順をしっかり把握しておきましょう。また運搬や設置が滞りなくできるよう事前の確認をしっかり行いましょう。取り付けや取り外しを自力でやる自信がない人や時間がない人は、引越し業者にまかせてもよいでしょう。
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