知っておきたい敷金返還のポイント
更新日:2020年7月30日
敷金はどれくらい返金されるものなのでしょう?少しでも多く返金してもらうために、知っておくべきこと、できることを確認しておきましょう。
敷金とは、退去時に原状回復のために使われる費用です。通常は原状回復さえしておけば全額返金されることになります。しかし、実際にはその返金額は様々。全額返金されるケースもあれば、まったく返金されず追加請求されたというケースもあるほど。まずは「誰がどこまで負担すべきなのか」を知っておきましょう。この負担すべき範囲を知っていれば余計な負担をしなくて済みますし、誤って請求されることも避けられます。
少しでも敷金の返金額を増やすために、できるだけのことはしておきたいですね。ここでは国土交通省によるガイドラインを元に貸主が負担すべきもの、借主が負担すべきものの例をそれぞれご紹介します。
賃貸人の負担となるもの | 賃借人の負担となるもの |
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床(畳、フローリング、 カーペットなど) | |
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壁・天井(クロスなど) | |
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建具など、襖、柱など | |
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設備、その他 | |
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簡単にまとめると、時間経過や通常使用での損耗は貸主の負担、それ以外は借主の負担となります。上記のような借主の負担すべき損耗を回復させることを、原状回復と言います。経年変化や通常使用での損耗に関しては原状回復の範囲に含まれません。
実は、経年変化・通常損耗の回復費用は家賃に含まれているのです。つまり、借主はすでにこれらの回復費用を支払っているのですから、別途請求されることはありません。しかし、業者によるハウスクリーニングの負担については注意が必要です。ガイドラインでは貸主負担となっていますが、賃貸契約書の特約として入居者が負担するよう明記されているケースも少なくありません。契約書の内容をよく確認してください。
国土交通省によるガイドライン内では「賃借人の負担については、建物や設備などの経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させることとするのが適当である。」とされています。たとえば、家電製品を買って使用した後、リサイクルショップで買い取ってもらっても新品同様の値段がつくことはほぼありませんよね。これは時間の経過や使用によって価値が減少したからです。物件も同様に、新築時(あるいは設備の交換時)から年数が経過するほど価値は下がるという考え方をします。つまり、年数が経つほど原状回復の範囲とされるラインは低くなり、敷金の返金額が増える可能性があります。しかし、価値の下がった物件だからといって故意に汚したり壊したりしてもよいということはありません。
敷金は退去してから1か月後ぐらいで返還されるのが一般的ですが、この金額の決め手になるのが「退去立会い」です。退去立会いとは、管理会社の担当者か大家が、退去前(または退去後)に部屋に入り、居住者の立ち会いのもとに修繕か所をチェックすることを言います。
この立会いにきちんと知識をもって望めば、相手に言われるままにサインをすることもなく、敷金の返金額も適正になることでしょう。
返金額に納得がいかなかったり、後になって高額な請求がきたりするトラブルもありえます。もし納得できない場合はその場でサインをせず、大家や管理会社に返金額を決定した根拠を問い合わせましょう。それでも納得できなければ、自治体の不動産相談窓口か、国民生活センターに相談するとよいでしょう。相談にあたっては、自分の主張だけでなく相手の言い分もきちんと伝えることが大切です。
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